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経営層からみた用度・調達の役割と、当院のコスト削減の取り組み (大阪府済生会泉尾病院・300-500床未満)

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医療機関名 大阪府済生会泉尾病院
経営主体 公的病院
病床規模 300-500床未満
所属部門 その他
投稿者 杉本 圭互(事務長)
公開日 2012-07-27
背景
■平成17年?23年の経営状況
 (1)泉尾病院の決算状況
 平成18 年を底に経営状況がV 字回復、平成20 年にやっと黒字転換できた。その後は、平成22年に経常利益が1 億3200万円まで回復したものの、23 年度は半額の6800万円と落ち込んだ。
 平成17年の段階では、医師の数が少なく、これ以上収入を見込むことは難しい状況であったので、まず費用の削減をすることから取り組み始めた。
 (2)医業費用推移
 平成17年度と6 年後の平成23 年度とを比較すると、給与費、材料費、経費、委託費等すべての項目で費用削減が出来てきている
 (3)職種別給与推移
 医療技術員・事務員に関しては原則欠員不補充とし、非常勤職員、派遣社員で対応するなど、給与費を削減するように取り組んだ。
 また、医師の給与改定を実施し、人員増加を図り、収入を見込める環境づくりを行った。看護師の給与削減が顕著に現れているのは、取り組みの効果ではなく、離職率が高まり、自動的に給与費が減ったことによる。
 このことが、現在の看護師不足につながり、入院制限をせざるえない現在の状況を作り出してしまったので、あまり喜ばしいことではない。(今年中に改善したい)
 (4)年度別材料費内訳
 平成19 年の診療材料費の削減が顕著である。これは、MRP のベンチマークシステムの利用により、業者との交渉がしやすくなったことが一つの理由である。
取り組みの内容
■経営改善の取り組み
 (1)取り組み前に行ったこと
 まず、コスト削減の取り組みを実施するにあたって、購入部門には年度ごとに目標数値を設定した。人事考課の1 つとして取り入れたため、より真剣に取り組んでくれたと感じている。
 (2)削減事例1:コピーリース料
 平成22 年4 月に全てのコピーリースの見直しを行った。また、これを機に全コピー機の管理を一元化することになった。いままでバラバラで管理されていたため、契約期間が残っているコピー機もあったが、一括して最新のコピー機を入れたことで、コストパフォーマンスが高まり、台数の見直しもできた。
 しかしながら、一番の成果と感じているのは、事務職員の意識が変わったことである。すべてのコピー機を一元管理することになったため、取り組みに対する連帯感が高まったと感じている。
 (3)CTの更新
 CT をリースからレンタルに、4 列CT を16 列CT に変更した。その結果、年間のレンタル料(保守料込み)のコストを削減することができ、かつ、診療報酬による収益増も見込めるようになった。さらには、4 列から16 列に機器の性能を上げたことでオーダーも増えた。
 (4)電子カルテの入替え
 電子カルテシステムの入替えについては、操作の違い等で日常業務に影響が出るため、当初、医師、看護師やコメディカル側の賛同を得ることができなかった。そのことが、すでに導入しているベンダーの立場を優位にさせ、うまく価格交渉ができなかった。
 それでも、ベンダーを替えることにより大きな費用の削減に繋がった。マスタの再登録、データの移行等で混乱が生じ、職員からよく苦情も届いていたが、導入して4 ヶ月、徐々に苦情も少なくなり、ようやく順調に運用できてきたように感じている。
 (5)訴訟費用の削減
 訴訟を未然に防げるよう、サービス業(ホテル)経験者の雇用と医療訴訟専門の弁護士との顧問契約を実施し、訴訟件数が大幅に減少しただけでなく、病院の評価も徐々に良くなってきている。
取り組み後の状況
■最後に:購入担当者に求めること
 (1)あなた方の交渉は経営を大きく左右する → 費用のマイナスは剰余のプラス
 購入部門の成果は、数値にあらわれやすく、その分プレッシャーもかかるので大変だが、病院経営の一翼を担っているという意識で担当してほしい。
 (2)メディカル部門に感謝される担当者に → 良いものをいかに安く調達するか
 予算より安いものを購入するよう要求されることは少ないが、よりよいものを安く調達できるよう、できるだけ業者と調整してほしい。
 (3)視点を変えて考えてほしい → 同じ視点からは新しい発想は生まれない
 新しい商品や契約形態・購入方法等、常に新しいことに目を向けることが大切。既存のやり方・知識に凝り固まらない。

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