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名大・名市大・岐阜大3大学による共同交渉の成果と今後の展開について (名古屋大学医学部附属病院・500床以上)

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医療機関名 名古屋大学医学部附属病院
経営主体 特定機能病院
病床規模 500床以上
所属部門 用度・調達
投稿者 小林 智亮
公開日 2016-02-22
背景
中部エリア病院調達業務実務者会議の開始は平成23年6月であり、今回で14回目の開催となる。3大学病院による共同交渉を行うための「東海地区大学病院購買事務部門連携ネットワーク」は、中部エリア病院調達業務実務者会議から派生し、平成26年12月に発足、平成27年1月に3病院による協定を締結した。
連携ネットワークの目的
「医療用消耗品類の安定供給と経費節減の取り組みを効果的・効率的に遂行するための購買事務連携を図る」こと。
取り組みの内容
事務連携のコンセプト
1)情報の共有化
MRPベンチマーク情報を3病院でグループベンチ化し、3病院内で各病院の採用品目を全て開示している。

2)共同交渉
3病院では、以下2つの考え方を軸に共同交渉を進めている。
【価格合わせ交渉】
 3病院の購入製品、購入価格を共有しているため、3病院の中で共通している製品に関しては、
 最安値の価格で購入している大学に目標価格を合わせる形で交渉する。
【商品統一】
 3病院の中で同種同効品について製品を比較し、他病院の同種同効品の方が価格が安ければ、
 製品切り替えによりその価格まで下げることや、3病院全てが同じ製品に切り替え、
 スケールメリットを出すことなどで交渉を行っている。


3)人材育成
長期的に交渉を行っていくためには、人材の育成が不可欠!
実務者レベルの会議は2、3ヶ月ペースで実施しており、会議毎に以下の取り組みを実践している。
【現況報告】
 会議で現況報告を行うことにより、他の2病院の交渉過程や手法を知ることができる。
【取り組みの提案】
 自病院の取り組みの提案を行うことにより、担当者の情報収集能力と提案力の向上に繋がる。
交渉方法
「価格合わせ交渉」や「商品統一」により、交渉対象製品の価格目標値の設定を行うが、交渉自体は原則各病院で行う。しかし、場合によっては他病院より交渉の援護を行う。また、他の2病院で使用している製品があれば、自病院の医師に対しても製品切り換えを提案しやすい。

【取り組み中の事例】
最近では、3病院共に取引を行う製品の割合が高い業者については、業者とメーカーによる「共同購入に効果的な製品の提案会」を個別に設けている。
提案された製品については、3病院で削減効果や切り換えの難易度を検討し、価格目標の設定後交渉を行う。交渉がまとまり次第、各病院でトライアルを行い、問題なければ導入する。
※共同購入に結びつけることで病院だけでなく、業者・メーカーの利益にも繋がる。
参加条件・メリット
東海地区大学病院購買事務部門連携ネットワークでは、各病院で交渉を行っているため、共同交渉への参加病院は自病院で積極的に交渉を行う必要がある。
ただし、交渉を行うにあたって得られる情報の量が増える一方で、追加費用の発生や取りまとめ部門等を新たに設置する必要がないことは大きなメリットと言える。
取り組み後の状況
交渉の成果
共同交渉開始から1年が経過した現在、3病院ともMRPベンチマークシステムの平均以下で購入している製品が15 ~ 25%増えている。

※本稿は、平成28年1月22日に開催された第14回中部エリア病院調達業務実務者会議にて講演いただいた際の講演内容を、医療手帖取材班でまとめたものです。

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