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外科病棟における抑制施行時の看護師の判断と抑制予防のための看護介入 (地方独立行政法人 山口県立病院機構 山口県立総合医療センター・500床以上)

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医療機関名 地方独立行政法人 山口県立病院機構 山口県立総合医療センター
経営主体 国公立病院
病床規模 500床以上
所属部門 看護
投稿者 (看護部)新井淳子、小田恵理子、中林加奈子、神徳哉子、真子典子
公開日 2015-11-18
背景
A病院外科病棟では、65歳以上の高齢者が長時間の手術を受ける機会が多く、せん妄発症のリスクを抱えている場合が多い。
身体抑制は患者の自律性が失われる行為であるが、急性期においては安全確保、治療遂行のために、
やむを得ず身体抑制や行動制限を要する状況が起こることがある。
A病院外科病棟の看護師が、患者のどのようなサインを見て身体抑制の可否を判断しているのか、
身体抑制を行わずに経過した患者にはどのような看護介入を行っているのかを明らかにする。
用語の定義
(1)術後せん妄:手術を契機に生じる一過性の意識障害。
(2)身体抑制:抑制帯やミトンなどを用いて身体の動きを拘束すること。
取り組みの内容
調査方法
(1)対象者:201X年Y月~Z月に、A病院外科病棟で4時間以上の全身麻酔下で手術を受けた65歳以上の患者80名
(2)データ収集方法:研究対象者(以下対象者とする)のカルテより、基本属性となる項目を抽出した。
   対象者への身体抑制の有無と身体拘束(抑制)判断基準フローチャート(以下フローチャートとする)の項目に
   あてはまるものがないかカルテから確認した。
   身体抑制をしなかった対象者に行った看護介入の内容をカルテから抽出した。
(3)分析方法:基本属性、フローチャートの各項目と身体抑制の有無について、マン・ホイットニー検定、X²検定を用いて解析した。
   P<0.05が得られたものを有意差があるとした。
(4)倫理的配慮:対象者やデータは数値化し、個人が特定されないようにした。収集したデータは研究目的のみの使用とした。
調査結果
(1)対象者80名のうち、術後に身体抑制を行なった対象者は14名(17.5%)で、
   身体抑制を行わなかった66名は、事故を起こすことなく経過することができた。
(2)身体抑制を行なった対象者では、身体抑制判断基準フローチャートの患者サインで6項目、
   精神的要因では5項目、環境的要因では1項目で有意差が見られた。身体的要因では有意差は見られなかった。
(3)身体抑制を行わなかった対象者では、創痛や不眠の訴えに対して疼痛緩和や睡眠援助を行い、
   ドレーンが挿入されている場合は対象者の目につかないように固定や保護の工夫を行なっていた。
(4)安全に配慮したケアの実際についての記録が少なかった。

取り組み後の状況
考察
(1)身体抑制を行った14例には、せん妄発症時に見られる代表的な症状と重なっている項目が6項目あった。
   術後の「いつもと何か違う」という患者のサインを見逃さないために、患者の普段の様子を丁寧に把握する必要がある。
(2)ドレーンや胃管が挿入されているということだけでなく、そのことに起因する患者の行動を含めた
   多角的な視点での観察が必要となる。
(3)疼痛コントロールや睡眠援助、ドレーン・ルート類の整理、普段使用している補助具の使用などの基本的なケアを行うことが、
   不必要な身体抑制を予防することにつながる。
(4)データ収集の際に、せん妄に関連した症状や看護師の判断やケアの内容、ケアに対する患者の反応を
   示した記載が少なかった。
   患者の安全を守るためのケアは勤務を超えて継続させ、スタッフ間で統一したものを提供する必要がある。
   そのためにも、その時の患者の状態、実施したケア、その反応を記録に残しておく必要がある。
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