当院が試みる医療機器のカルテ化 (社会福祉法人恩賜財団済生会 支部千葉県済生会 千葉県済生会習志野病院・300-500床未満)
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当院が試みる医療機器のカルテ化
医療機関名 |
社会福祉法人恩賜財団済生会 支部千葉県済生会 千葉県済生会習志野病院 |
経営主体 |
公的病院 |
病床規模 |
300-500床未満 |
所属部門 |
用度・調達 |
投稿者 |
小泉 英樹(用度課) |
公開日 |
2015-04-01 |
- 背景
- 当院は、新病院が開院してから10年目になり、資産計上された医療機器は800件以上存在しています。これらの情報は用度課が管理しており、管理番号の発行や、売買契約書の管理、修理の依頼や記録、機器のカタログなど、管理するべき情報は膨大です。
また、他部署からの問合せがあると資産の所在や、年度ごとの文書保管ファイルを探しまわる事が多々ありました。さらに近年では、定期的な資産の棚卸が会計上必須ですが、管理に充てられる人数は限られているにもかかわらず資産は増加する一方で、現状の管理状況がどうなっているかリアルタイム且つ正確には解らない状況でした。
- 取り組みの内容
- これまでは、固定資産台帳などはマイクロソフトのエクセルで作成した台帳を用い、課内の共有ファイルとして管理していましたが、医療機器やその他資産の納入場所と実際の運用場所が異なっていたり、写真・カタログ・売買契約書や修理報告書などの文書ファイルが紐付けされておらず、関連する情報が一元管理されていなかった点に歯がゆさを感じておりました。
そこで、医療機器は勿論その他の資産を含めた、資産台帳を一元的に管理できる新しい台帳を作成しようと考えました。「今、○○が壊れました!」と言われた時でも、該当機器がすぐに把握できるような、いわば医療機器のカルテを導入しようと考えたのです。
勿論、資産台帳を一元管理出来るシステムが望ましく、他メーカーのシステムを検討した上で、機器の所在をCAD図面上で表示出来る機能を持ち、管理項目や設定等をユーザー側で自由に追加・変更が可能な、医療情報統合管理システムを導入する事にいたしました。
- 取り組み後の状況
- システム上では4つのビューが表示され、会社組織や建物、フロア、区画など管理対象物を表示する【ツリービュー】、ツリービューで選択した管理対象物の下位レベルの対象物が表示される【リストビュー】、CAD図面やイメージ図面を表示する【イメージビュー】、保全情報、関連ファイル、メモ情報など指定した管理対象物の属性項目を表示する【カルテビュー】の4つが相互にリンクしています。また導入に際して、これまでエクセルで作成していた台帳データをシステムに吸い上げ、ペーパーで管理していた関連書類をpdfファイルとして取り込み、更にCAD図面データも取り込みました。
システムを導入した結果、医療機器のみならず事務機器などの台帳も統合され、これまでペーパーで管理されていた見積書や、契約書、カタログ、マニュアル、点検記録報告書や修理伝票などの情報をパソコンソフト上の専用ソフトにて、クリック一つで簡単に確認する事が出来るようになりました。これにより法定耐用年数から償却する資産の把握が明確になり、また更新時期を迎えた機器も簡単にリストアップ出来、効率的な資産購入計画が立てられるようになりました。加えて、機器とフロア図面が紐づけられている為、資産がどこのフロアの、どこの部屋の、どこに設置されているかが把握でき、台帳との整合性が取れ、資産の棚卸などの作業が迅速に行えるようになりました。
このような固定資産台帳のシステム化により、現状と合致した正確な情報と過去の履歴をベースにした適切な機器購買計画が立案可能となり、また棚卸支援機能の利用によって資産が実在する事の確認を行い、故障や滅失、所在を確認し、固定資産台帳を正しく更新する事が出来るようになるなど、システム導入前と比べ大幅な医療機器・その他資産管理業務の効率化を達成する事が出来ました。
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