改善の効果
■材料委員会でもベンチマークは活用し、新規申請品に対して採用判断の材料とした。
■価格交渉では、材料の切り替えも含め、外科や循環器内科、心臓血管外科、整形外科、その他汎用品を中心に4年間で1億6千万円の削減ができた。
また手術キットについても、データ分析業務のしがらみが外れたことによる複数メーカーの競争により、既存メーカーが一番価格を下げるという望外の成果を得られることになった(全体の3割は別メーカーに切り替え)。
**金額は前年度と比べ年間で6千3百万円の削減ができた。**
活動の中で大事にしていること
◆支出削減の活動で何より大事にしていることは、院内が一枚岩で連動していることである。
◆交渉前は現状をしっかり説明して、医師・看護師・技師といった現場の方々とシナリオ、ゴールを共有する。
◆院内活動で行き詰った時は、病院幹部に相談し、背中を押してもらう。
◆実は院外交渉より院内調整が本当のポイントと考える。
◆結果が出た後の動きも大事で、断ってもペナルティが無ければ誰も従わない。
病院経営のために協力した現場や業者もメリットが無ければ意欲を低下させてしまう。
◆業者もメーカーも大切なパートナーであり、特に当院に協力してくださる方々に対して、病院がしっかりと報いるだけの仕組みを作ることは信頼関係構築のためにも重要である。
◆課題・戦略・実行・評価の取組内容を明確にし、文化や体制が出来上がることで、低コスト体質が院内に浸透するものと確信している。
最後に
他病院の購買担当者ともよく意見交換を行っている。
病院によって特色は様々だが、課題や戦略など、そこから得られる情報は自分たちの次なる発想へのインスピレーションとなる。
交渉できる材料の範囲も狭くなってきたため、共同購入への参加も始めた。
支出削減の次なるステージに向けて動き出したところだ。