国立病院機構 京都医療センター改革 -病院再生- (財団法人田附興風会医学研究所 北野病院・500床以上)
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国立病院機構 京都医療センター改革 -病院再生-
医療機関名 |
財団法人田附興風会医学研究所 北野病院 |
経営主体 |
その他 |
病床規模 |
500床以上 |
所属部門 |
その他 |
投稿者 |
院長 藤井 信吾 先生 |
公開日 |
2011-05-27 |
- 背景
- 国立病院機構 京都医療センターでは、赤字経営が続いていた時期があり、当時は経営を大きく立て直す必要があった。
- 取り組みの内容
- 経営改善のため、以下のような施策に取り組んだ。
<1年目>
【職員の保護】 問題患者に対して110 番通報の許可を得た(警察との連携)。
【稼働率のUP】 着任時に職員が未認識であった稼働率を確認。→ どれくらい稼働率を上げれば黒字になるかを職員全体で認識。
【院内会議の見直し】
・「幹部会議」の名称を「運営企画会議」へ変更
・病院の最高決定機関として診療科長会議の創設→ 病院内で起こっていることを病院全体で把握した。
【救命救急の見直し】 欧米型ER の開始、入院患者を断らないベッドコントロール
【医事業務の見直し】 医事請求がちゃんとできているか?
これら1年目の取組みにより、 着任した年から黒字化することに成功した。
その他にも、1年目に次のような取組みを実施している。
【院内の活性化】
・幹部と一般職員のコミュニケーション作り
幹部と新人研修医で歓迎会や医長同士で懇親会をする、若い医師達と食事をしながら仕事について語る等、病院行事を積極的に行った。
このような院内の活性化の取組みにより、着任5ヶ月で再生プラン病院から抜け出すことに成功した。
【患者の増加】
2台目のMRI導入決定→病棟分散により職員の業務に負担→診療科長会議で問題を解決→新診療棟の設立案が認可される
*信じられないことが実現することでさらに院内の活気UP
【患者と職員への対応】
・院内ルールを破る患者への対応(ホワイトコード導入)
・覚醒剤中毒患者の対応(警察に通報する旨告知)
・医師の給料の見直しなどを新たに導入
・患者増に伴う医師の業務負担増について話し合う
・収入増に伴い年度末賞与の支給
<2?3年目>
?時給の高いスペシャル医療クラークの導入(※)
?診療点数の順調な伸びと、入院患者の増加
?様々な機器の導入、診療科の設立
?良い医師が京大から来てくれるようになった
【スペシャル医療クラークの導入】
電子カルテ操作や事務作業(書類作成等)から、かなり医者に近い高度な専門スキルをもった医療クラークを自ら育成、配置
(スペシャル医療クラーク導入の目的)
医師の負担軽減のため、またその職能を充分に発揮する環境を作るため(さまざまな書類作成の時間を、患者と向き合う時間に。)
→医師たちも働きやすくなり患者の待ち時間も短縮し、「医療の質の向上」と「経営の改善」を同時に達成した。
→他病院へスペシャル医療クラークの導入提案
→「社会貢献」につながる
<4年目>
【新中央診療棟の完成】
・最新の設備を備えた手術室
・コンシェルジュ付の個室病棟
・最新の救命救急センター
・リハビリテーション室の拡張
・緩和ケア病棟の新設、会議室の設置
これらの取組みにより、極めて満足度の高い病棟作りと患者様、職員の満足度上昇に繋げる事が出来た。
- 取り組み後の状況
- <院長の仕事とは>
・病院に流れる空気、気配、雰囲気をいかに良いものにするか。職員全員が働くことに満足感をもつことが必要。
・働きがいのある環境作り、職員に「夢」を与え続けること。現状説明と将来展望を職員に熱く語り続けること。
・職員全員に、院長に守られているという確信を与えること(医療過誤の際、医師を院長自らが患者側と対話することで守る等)
・決して物事に対してぶれてはならない
<医療は奉仕の提供である(奉仕の精神)>
・働く人たちに心の余裕(ゆとりのある人的配置)が必須
・チーム医療とは病院職員全員で行なうこと
職員に要求すること→言い訳を言わない医療を提供する!
客観的に分析し、もっとも良いと思われる医療の提供を。
<経営とは>
一致団結して同じ目的に向かう雰囲気をいかにして作り出すかが大切。
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