医薬材料費削減の取り組みについて (札幌医科大学附属病院・500床以上)
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医薬材料費削減の取り組みについて
医療機関名 |
札幌医科大学附属病院 |
経営主体 |
特定機能病院 |
病床規模 |
500床以上 |
所属部門 |
用度・調達 |
投稿者 |
札幌医科大学附属病院 |
公開日 |
2017-07-03 |
- 背景
札幌医科大学附属病院の概要
昭和20年北海道立女子医学専門学校開学。
平成15年北海道公立大学法人札幌医科大学に移行。
■許可病床数: 938床
(一般病床890床 精神病床42床 結核病床6床)
■診療科数 : 26
医薬材料費削減にあたっての課題と検討内容
〈課題〉
■平成26年4月からの消費税増税問題
■ベンチマーク調査の効率化を模索中であった。
■経験だけでは、価格交渉の限界がある。
〈検討内容〉
■SPD業務内容の見直し(平成24年度)
■共同購入への参加(平成26年度)
■ベンチマークシステムの導入(平成28年度)
- 取り組みの内容
1)SPD業務内容の見直し(平成24年度)
2)共同購入への参加(平成26年度)
〈参加の経緯〉
2社の共同購入会社を検討し、A社と契約。
某施設(道内)で導入実績があり、参加しただけで約30,000千円の削減効果が見込まれたため。
3)ベンチマークシステムの導入(平成28年度)
ベンチマークシステムの選定のため、情報収集、資料請求や他病院との情報交換を行い、MRPベンチマークシステムを導入。
購入総額が多い診療科及び、平均より高い金額で購入が多い診療科にベンチマークを見てもらい、医師に協力依頼を行った。
【整形外科の例】
業務係との窓口医師を1名選出し、医局会議にて医療材料の価格やメーカー対応などの現状報告と、今後についての相談を行った。
その後、業者交渉とメーカー交渉を同時進行し、交渉時にはベンチマークの資料を見せながら進め、可能であれば医師も同席してもらうよう依頼。
最終、医局へ結果報告をするように進めた。
◎医局会議での相談
〈現状報告〉
事務だけの交渉では価格が下がりにくく、定価と償還価格に差が出てきている。
償還価格が下がっても、納入価格が下がらず、メーカーは他社製品への切替の危機感がないため価格を下げようとしない。
〈相談内容〉
医療材料の購入価格を気に止めておいてほしいことを伝え、納入業者及びメーカーが来た際には、価格が下がらない物は切替も検討すること、新規PRに来た場合は、ベンチマークがあるため事務の了解をもらわないと採用にならないと伝えて欲しいと説明した。
また、メーカーとの直接交渉に参加を依頼した(8社)。
◎業者交渉とメーカー交渉の同時進行
〈業者・メーカー交渉〉
当院オリジナルの希望納入価格を設定し、ベンチマーク資料を見せて交渉。
メーカー交渉時には、病院長(最初の挨拶等)、上肢、下肢班4名、脊椎班2名が同席した。
【医薬品の例】
・値引率15%以上になるように交渉。
・年2回の病院長交渉を実施。
・MRPベンチマークシステムを使用して交渉を実施。
- 取り組み後の状況
1)SPD業務内容の見直し(平成24年度)
物流情報の参照機能の利用により、
・収支のデータの把握
・在庫状況の把握
・未稼働品の把握
・購入実績明細の作成(購入、払出、消費)
ができるようになった。
また、手術室稼動データの参照機能の利用により、
・手術室の収支の把握
・診療科別の収支の把握
・症例別の収支の把握
・術式別の収支の把握
・Dr.別の収支の把握
ができるようになった。
2)共同購入への参加(平成26年度)
〈結果〉
平成27年度削減額 : 11,401千円
平成28年度削減額 : 15,852千円
平成29年度参加辞退
〈参加辞退の理由〉
・目標としている30,000千円以上の削減にほど遠い。
・自由に医療材料を採用出来ない。
・ベンチマークシステムを活用した方が、削減効果が大きいことがわかった。
3)ベンチマークシステムの導入(平成28年度)
〈結果〉
・上肢、下肢分野の中から、1メーカー取引中止。(病院長命令)
・脊椎分野1メーカー独占から、3メーカーへ。(新規提案2社追加)
・整形外科分野 判定C 約48%→42% 判定D 約27%→7%
・削減額:7,938千円(9月から3月)
- ホームページリンク
- 札幌医科大学附属病院
※本稿は、平成29年5月19日に開催された第3回北海道エリア病院調達業務実務者会議にて講演いただいた際の講演内容を、医療手帖取材班でまとめたものです。
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