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支出削減の取り組み (市立千歳市民病院・100-200床未満)

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医療機関名 市立千歳市民病院
経営主体 国公立病院
病床規模 100-200床未満
所属部門 用度・調達
投稿者 佐々木 研人(経営企画課財政係 主事)
公開日 2017-08-17
背景
病院概要
■ 所 在 地 : 北海道千歳市北光2丁目1番1号
■ 病 床 数 : 190床(一般病床171床・救急特例病床19床)
■ 診療科目 : 内科、循環器科、消化器科、小児科、外科、脳神経外科、整形外科、産婦人科、眼科、耳鼻咽喉科、皮膚科、泌尿器科、麻酔科 (全13科)
はじめに
千歳市は、北海道の中南部に位置しており、国立公園支笏湖をはじめとする水と緑あふれる豊かな自然に加え、北海道の空の玄関である「新千歳空港」や高速道路、鉄道などの交通アクセスに恵まれた、道内で最も平均年齢が若く、人口増加を続ける道央圏の中核都市です。
当院は、190床と決して大きな病院ではありませんが、近隣市町村を含む地域の小児・周産期医療や二次救急を担う基幹病院となっており、病院の理念である「より質の高い心あたたまる医療の実現」に向け、職員一丸となって取り組んでいます。
ベンチマークシステム導入前の価格交渉
医療材料の価格交渉にあたり、当院が長年抱えてきた悩みは、「適正な価格がいくらなのか不透明」ということでした。
従来の交渉では、提出された見積書と、院内で採用している同等品の価格や掛け率を比較したり、メーカーごとに概ね決まっている掛け率と比較したりすることしかできず、交渉の重点が「前年度よりも価格が上昇しないこと」となってしまう傾向にありました。
そのため、平成28年3月にMRPベンチマークシステムを導入し、「現在の納入価が適正なものであるか」を確認するとともに、価格交渉時に活用することで、医療材料費の削減を目指すこととなりました。
取り組みの内容
システム導入時の状況と活用方法
ベンチマークシステム導入後、診断結果を確認すると、やはり他院と比べ高額な医療材料が多数あることがわかりました。
そこで、次年度の単価契約、つまり平成28年4月の診療報酬改定を乗り切るため、ベンチマークシステムを活用した交渉方法について早急に検討し、価格交渉を行いました。

具体的な交渉方法としては、ベンチマークシステムを導入したことについて、各納入業者へ周知しつつ、短期間での決着を目指すため、まずは同等品への切替えではなく、現在使用している医療材料を安価に提示させることができるよう、見積書を徴取する際、提出してもらう見積書の様式に「参考価格」としてベンチマークシステムの全国平均単価を記載することにしました。
これは、現在納入している業者に対し、当院への納入価と全国平均単価との差額を認識させるとともに、他の業者に対しても全国平均単価を伝えることで、各医療材料の適正な価格帯を意識させ、競争の促進と、今後の安価な同等品の提案を期待したものです。

なお、ベンチマークシステムの数値を「目標価格」として記載することについても検討しましたが、あらかじめ目標価格を提示した場合、目標価格を下回る価格が提示されない恐れがあることから、あくまでも「参考価格」として全国平均単価を記載することとしました。

また、全国平均単価の提示は、償還価格のない一般消耗品のみとしました。これは、特定保険医療材料の場合、全国平均単価を提示することにより、現時点で平均よりも安価に購入している医療材料が将来的に高くなってしまうことを危惧したためです。(実際、ある診療科が使用する特定保険医療材料については、ベンチマークシステムを導入した時点で、既に大半が全国平均単価を下回る納入価となっていました。)
そこで、特定保険医療材料については、ベンチマークシステムを導入したことをメーカーや納入業者に周知しつつ、全国平均単価より明確に高い医療材料について集中的に交渉を行い、他の医療材料については、償還価格に対する掛け率の維持を目指し交渉を行うこととしました。
取り組み後の状況
交渉結果
一般消耗品では、全国平均価格を見た納入業者の担当者から
「全国平均単価がこんなに安いことを初めて知りました。私たちもメーカーから高く買わされていたようです。」
といった声が数多く聞かれ、メーカーに対して病院側と納入業者側の双方から交渉を行った結果、前年度と比べ2.8%の削減を行うことができました。

特定保険医療材料については、年々、定価と償還価格の乖離が進むなか、ベンチマークシステム導入が抑止力となり、償還価格に対する掛け率を維持することができ、更に特定の診療科が使用する医療材料については、これまでよりも低い掛け率となったものが増え、前年度と比べ7.1%の削減となりました。

もちろん、償還価格のマイナス改定によるところが大きいですが、従来に比べ、償還原価率がよくなっていることから、ベンチマークシステム導入による効果が一定程度あったものと考えています。

また、全国平均単価を提示したことにより、安価な同等品の紹介もあり、同等品への切替えによる削減を行うこともできました。

結果として、前年度と比べ年間で約2,000万円の削減を達成することができ、一定程度の効果が得られたと考えています。

おわりに
このように、導入初年度は、一定程度の効果が得られたと考えていますが、ベンチマークシステムを見ると、まだまだ全国平均単価よりも高い医療材料が多くあります。
今後はベンチマークシステムを指標とし、明確な数字的裏付けのある交渉方法を確立していきたいと考えています。
また、新規医療材料の採用基準に「ベンチマークシステムの全国平均単価を下回る価格で購入できること」といった条件を加え、採用時から適正な価格で購入することができるようにしていきたいと考えています。

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