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当院における医療材料費の削減策 (岡山大学病院・500床以上)

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医療機関名 岡山大学病院
経営主体 特定機能病院
病床規模 500床以上
所属部門 その他
投稿者 石﨑 邦雄(事務部 病院長補佐室主査)
公開日 2015-03-31
背景
平成25年度において、医療材料費、人件費及び減価償却費が前年度に比べ大幅な増加見込みとなった。そのため、院内において病院長を議長として、経営戦略について審議している会議(以下、「経営戦略会議」という。)で検討した結果、医療材料費、医薬品費の価格削減を重点的に各々取り組むことが決定された。

医療材料の現単価の立ち位置を調査
・経営戦略会議においてコンサルタント業者(3社)によるプレゼンテーションを実施したところ、各社とも1億円前後の価格削減余地(年間ベース)があるとの結論に至った。(本院の材料マスターを提供し、各業者所有のベンチマークにより価格削減余地額を試算)
ただし、コンサルタント業者に依頼しても削減までに半年程度の期間を要すること、成功報酬として削減額の何割かが必要なこと、などが条件であったため、先ずは事務部で価格交渉を行い、成果がでない場合には、コンサルタント業者に依頼することとなった。
取り組みの内容
1. 短期間での成果が求められるため、先ずは部署の垣根を越えて医療材料削減チームを結成し3ヶ月間の限定で価格交渉を行うこととした。
2. 値引率が高い他大学病院の目標単価設定方法、価格交渉の手法、製品の切替方法(手術用キットなど)について情報収集を行った。
3. 前記手法等を参考に過去3年間で納入実績のある全品目(13,000品目)に対し、ベンチマーク(※)を基に「目標単価」及び年間予定数量を加味した「目標金額」を設定した。
  (※)MRP(国立+公立+民間 のベンチマーク)、大学病院のベンチマーク、民間病院のベンチマークを活用
4. 業務の効率化
  1)合同説明会の実施(病院長、事務部長、経営・管理課長から業者に対し削減依頼)…2回開催/3ヶ月
  2)医療材料削減チーム(3人)で業務を分担
   ・新規材料採用基準の見直し、物流の運用方法見直し
   ・価格交渉、目標単価設定、規格違い単価統一
   ・一部変更契約、ベンチマークデータ抽出
5. 価格交渉にあたって
  1)ディーラーの利益を減らしてまで契約単価を下げるのではなく、材料の使用量が伸びているメーカーの仕切りをいかに下げるかに重点をおいた。
  2)価格交渉にあたっては、複数の職員で対応することで透明化に努めた。また、各業者に対して、同じ説明内容に徹した。
(一部の業者からの圧力に対応するため)
  3)価格削減スケジュールを予め作成し、病院側・業者側双方限られた期間(3ヶ月)での交渉に努めた。
  4)医療材料全体における価格帯別判定(国公立民間255病院、MRPベンチマークシステム)も参考に価格交渉前後における検証も行った。
取り組み後の状況
<成果>
(平成25年12月価格交渉後単価 ‐ 平成25年10月価格交渉前単価)×平成26年1月から12月納入実績数量=△2億円

<今後>
・サイズ違いの同等品を新規で採用する場合、上記交渉時値引率と同率で納入してもらうよう業者に依頼しその後の値引率悪化を防いでいる。
・上記交渉時において、償還材料の率スラについても業者に依頼していたが、一部未達成の業者があり今後の課題である。
 また、材料の新規採用など入れ替えも激しいため、現在の立ち位置の把握及び定期的な価格交渉が必要だと考える。

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