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医療費削減の取り組み(後発医薬品の導入促進の取り組み) (熊本大学医学部附属病院・500床以上)

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医療機関名 熊本大学医学部附属病院
経営主体 特定機能病院
病床規模 500床以上
所属部門 用度・調達
投稿者 財務・調達ユニットチームリーダー 五島 哲哉
公開日 2015-09-08
背景
熊本大学医学部附属病院の概要
1)職員数・患者数・手術件数
 ①職員数:約2,000人
 ②患者数(延):入院患者約268,128人/年、外来患者約339,387人/年
 ③診療単価:入院約67,229円、外来約18,597円
 ④紹介率:85.42%
 ⑤逆紹介率:68.99%
 ⑥平均在院日数:15.7日
 ⑦手術件数:手術件数約6,659件/年(約7,450件/年)

2)敷地面積、病床数
 ①敷地:約2万m²
 ②病床数:845床
医療費削減の取り組みを開始した背景
熊本大学医学部附属病院では、各ユニット単位でミッションが定められている。

「財務・調達ユニットのミッション」
⇒「病院の財務を適正に管理すると同時に、調達においてはコストの最小化に努め、病院の資産効率を最大化し、安定的な経営を実現する。」こと。
⇒熊本大学医学部附属病院では消費税率UPの影響か、昨年度より、昨年度当初から収入に対する支出の割合が増大してきている。そこで、経費削減のため、「後発医薬品の導入促進」、「医療材料費の削減」、「医薬品費加重平均値引率の改善」の取り組みを、順次行ってきた。
経費削減取り組み前の熊本大学の後発医薬品導入状況
平成21年度は7.1%(全国42の国立大学病院中4位)であった後発医薬品の採用比率が年々減少していき、平成25年度には30位まで落ち込んでいた。
取り組みの内容
後発医薬品の導入促進に向けた方針
後発医薬品の採用比率の低さと経営状況の悪化を受けて、平成21年度に設置されていた「後発医薬品使用促進WG」が、院長の号令により平成26年10月に始動。原則、後発品のある全ての先発医薬品を対象として切り替えの選定を行った。
後発医薬品使用促進WGにおける審議内容・結果
平成26年10月~平成27年1月の間に、計4回の審議を行い、後発品に切り替える先発品の選定を行った。
品目数:189品目(約42%)、購入割合(薬価ベース):約73.9%
取り組み後の状況
後発医薬品導入促進取り組み後の状況
後発医薬品導入促進取り組み後より採用比率は上昇傾向にあり、取り組み前の平成25年度は4.2%であった採用比率が、平成26年度は5.0%、平成27年度は8.3%まで上がっている。
後発医薬品の導入促進による増収見込み
後発医薬品の導入促進により、診療報酬の請求金額が上がる見込みが立っており、平成29年度には平成27年度比で6,000万円の増収が見込まれている。
後発医薬品の導入促進に向けた動きによる影響
後発医薬品導入の促進に繋がる動きとして、診療科や薬剤部の働きかけにより、後発医薬品メーカーが事務に対しても提案を行ってきた。
また、後発医薬品導入の流れを感じた卸業者が自発的に先発品の価格を下げる動きも見られた。
後発医薬品導入促進の成功要因
院長先生が「先発品の後発医薬品への切り替え」の方針を明確にしたことより、「後発医薬品導入促進WG」が活性化し、実際に医薬品の切り替えを行う薬剤部や各診療科の協力体制が整った。また、交渉を行う担当者の能力が存分に発揮されたことが、後発品の切り替えに大きく影響した。
後発医薬品導入に関する留意点
①医薬品を大幅に切り替える際は、全ての品目についての承認から実際の切り替えまで時間がかかる。
 熊本大学医学部附属病院では189品目全ての切り替えに最初の承認から8ヶ月以上を要した。
②医薬品名が登録されているクリニカルパスやレジメン等は、システムに与える影響があるため、
 医薬品を切り替えた際は、システムの登録名の変更等、注意が必要。
経費削減の取り組み「医薬品費加重平均値引率改善の取り組み」
後発医薬品の導入促進に引き続き、「医薬品費加重平均値引率改善の取り組み」についても今年度5月から取り組みを開始しており、現在取り組み継続中である。



※本稿は、平成27年7月17日に開催された第2回九州エリア購買担当実務者会議にて講演いただいた際の講演内容を、医療手帖取材班でまとめたものです。
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熊本大学医学部附属病院

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